広場恐怖症
広場恐怖症はどんな病気ですか?
広場恐怖症は、逃げ場がない、または助けを得られないと思われる特定の状況に強い不安や恐怖を感じる疾患です。
多いのは、通勤時の満員電車内で一度発作が起きてしまい、その後同じように電車に乗ろうとすると症状が出てしまうパターンです。
日本では、成人の約1~2%が広場恐怖症を経験するとされ、パニック障害(広場恐怖症と似ていますが、特定の場所や状況に依存していない点で異なります)を併発しているケースも多いです。
適切な治療を受けることで症状を改善することが可能です。
広場恐怖症でよくみられる症状は?
広場恐怖症の主な症状は以下の通りです。
強い不安や恐怖
以下のような状況に対して、極端な不安を感じます。
- 公共交通機関(電車、バス、飛行機など)
- 広場や橋の上などの広い空間
- 混雑した場所(ショッピングモール、コンサート会場など)
- 家の外に一人でいる状況
回避行動
恐怖を感じる状況を避けるため、外出を控える、他者に付き添ってもらうなどの行動が増えます。
身体的症状
不安に伴い、動悸、息切れ、発汗、震え、めまいなどの身体症状が現れることがあります。
日常生活への影響
恐怖心が強いため、仕事や学校、社会活動に参加できなくなる場合があります。
広場恐怖症の治療にはどんな選択肢がありますか?
広場恐怖症の治療には、以下の方法があります。
患者の症状や生活環境に合わせて選択されます。
薬物療法
抗うつ薬(SSRIなど)
不安を軽減し、恐怖感をコントロールするために使用されます。
効果が出るまでに数週間かかることが一般的です。
抗不安薬
比較的効果が早く得られるので、発作に対して頓服薬として使用されることも多い薬剤です。
精神療法
認知行動療法(CBT)
恐怖を引き起こす思考パターンを特定し、不安に対処する方法を学びます。
恐怖に感じている状況をリストアップし、比較的難易度の低いものから徐々にチャレンジしていく(暴露)ような方法をとる場合もあります。
生活指導
生活の中でストレスをコントロールできる手段を身につけることも効果的です。
生活リズムの是正、健康的な食事、定期的な運動はやはり効果的だとされています。
アルコールやカフェインなどは症状の悪化と関連していると考えられ、摂取量を見直すことが推奨されます。