パニック障害
パニック障害はどんな病気ですか?
パニック障害は、突然の強い不安や恐怖を伴う「パニック発作」を繰り返す疾患です。
発作は予期せずに起こり、通常10分以内にピークに達します。
発作は通常生死に影響するものではないですが、「死んでしまうのではないか」と感じるほど苦しく、「また発作が起こるのではないか」という不安がさらに発作をまねく悪循環に陥ります。
未治療のままでは症状が慢性化するリスクがあります。
日本では成人の約1~2%がパニック障害を経験すると言われており、20~40代での発症が多い傾向があります。
また、女性にやや多く見られます。
適切な治療を受けることで、症状をコントロールすることが可能です。
パニック障害でよくみられる症状は?
パニック障害の主な症状は以下の通りです。
パニック発作
- 突然の強い動悸や息切れ
- 発汗、震え
- 窒息感や胸の痛み
- めまいや非現実感(現実感の喪失や自分が自分でない感覚)
- 自分のコントロールを失う恐怖、死への恐怖
予期不安
- 次の発作がいつ起こるかわからないことへの強い不安。
回避行動
- 発作が起こるかもしれない場所や状況(電車、エレベーター、混雑した場所など)を避けるようになる。
パニック障害の治療にはどんな選択肢がありますか?
薬物療法
抗うつ薬(SSRIなど)
脳内のセロトニンなどの神経伝達物質バランスを調整し、発作や予期不安を軽減します。
抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)
発作時の不安を抑える効果があり、比較的短時間で効果が得られることから頓服としてしばしば用いられます。
ただ、長期に服用を継続する場合に依存のリスクがあるため、必要以上に服用してしまっていないか注意が必要です。
精神療法
薬物療法を併用しつつ、パニック発作を抑え、行動範囲を広げていけるように症状への対処を身につけるサポートをします。
認知行動療法(CBT)
症状に対する偏った考えや回避行動に気づき、対処する方法を学びます。
生活指導
睡眠や食事に関する指導を行います。
例えばカフェインはしばしば発作を誘発しやすいことで知られており、摂取を控えることで症状が軽減することが期待できます。
パニック障害の経過は?
パニック障害は、治療を受けることで大部分の患者が症状をコントロールできます。
ただし、未治療の場合は症状が慢性化し、うつ病など他の精神疾患を併発するリスクがあります。
治療期間
症状の重さや治療内容によりますが、治療は6ヶ月以上の比較的長いスパンで継続することが一般的です。
再発防止
症状が改善しても、ストレス管理や生活習慣の見直しを継続することが重要です。
また、治療、特に薬物療法は自己判断で中断しないことが強く推奨されます。